<第56回岸田國士戯曲賞 選評(抜粋)>
■岸田國士戯曲賞 選評(抜粋) 無責任な言葉の羅列でイメージを喚起させ、無責任にイメージがぶつかり合う。それだけで、ストーリーが紡がれていく。久しぶりに登場した、その種の作家だ。私はこういう作品に演劇の可能性を見る。(中略)マニュアルのように書いてくる巧さでは なくて、伸びやかである。つまり無責任に楽しんで書いている。舞台を好きな人間の現場から生まれてくる、しなやかで無責任 なうまさである。と確信する。 ー野田秀樹
■この世界この社会の構造の理不尽さに、誠実だがしかし粘りを見せることもなく絶望したりシニカルになったりする、というのとは反対の仕方で、基本的に明るくそれこそ前向き!に向かい合う。そのとき不可避的に生じる残酷さについても、これまた明るく引き受けちゃう。そういったこの作品の、責任の高い姿勢も支持したい。 ー岡田利規 |