「青ノ鳥」2007

「第52回岸田國士戯曲賞」最終候補ノミネート作品

2007.Mar at STスポット(横浜)ワークインプログレス公演
2007.Sep at 吉祥寺シアター(東京)
2009.Feb at NHKシアター・コレクション at NHKふれあいホール

 

作・演出 : 矢内原美邦

出演 :
足立智充 有坂大志 稲毛礼子 柴山美保 鈴木将一朗 高山玲子
長谷川寧 渕野修平 光瀬指輪 矢沢誠 山本圭祐

音楽:桜井圭介 スカンク
映像:高橋啓祐 松本力
衣装:安食真
照明:森規幸
舞台監督:鈴木康郎

STスポットでの準備公演を経て『3年2組』に続いて吉祥寺シアターにて本公演。本作品で、第52回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされ、また2009年には英訳された「THE BLUE BIRD」が、ニューヨークを拠点に活動する劇団"WITNESS RELOCATION"によって上演された。

場所はどこだかわからない。ただそこは深い森の中。時代はいつだかわからない。ただそれは鳥が絶滅した世界。鳥類の絶滅は人類から空を見上げることを奪った。国の使命を受け、森に派遣された7人の学者たち。彼らの任務はその森の奥地に棲むという最後の鳥「青い鳥」を探し出し、鳥類の繁栄を臨むこと。「青い鳥」は夜と朝が入れ替わるわずかな時間の間にしか飛ばない。ほ乳類、昆虫類、植物、そして鳥類の研究を専門とする7人の学者たちは、それぞれに鳥類絶滅に対する自説を展開しながら、夜と朝の間のそのわずかな青の時間に深い森の中を移動する。ある1日。そして、やがて朝がやってきて、彼らは空を見上げる…。青の時間のなかで空を見上げる。 ノスタルジーを喚起する役者全員によるギターの生演奏と歌、スクリーンに台詞と同じく高速で流されるテキストなど、ミクニヤナイハラプロジェクトならではの手法により、大人になりきれない人々の物語を表出させた。 大人になりきれないまま社会に準じて生きている現代の若者は、青い鳥症候群と呼ばれている。そんなディスコミニケーションを言葉や身体におとしこんでいく新しい演劇のスタイルを提示した作品。

2007年9月、ニューヨーク市立大学(CUNY)大学院演劇センターの共催により、ニューヨーク日本文化センターにて「スポットライト・ジャパン」と題する日本の現代戯曲のリーディングが行われ、本作が選ばれる。その後2009年1月にニューヨークのオフ・ブローロウェイで活動する劇団WITNESS RELOCATIONの演出家ダン・サファーによる公演が行われた。

"THE BLUE BIRD"
WITNESS RELOCATION Directed by DAN SAFER

Flyer design:河合克夫 石田直久

- Review -

中西理(演劇コラムニスト) +小劇場レビューマガジン wonderland

高野しのぶ +しのぶの演劇レビュー

 

- Credit -

主催:ミクニヤナイハラプロジェクト
   財団法人武蔵野文化事業団
特別協力:急な坂スタジオ
企画・制作:precog


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